MalRECs

忘れたことは覚えている

AKAI MPC LIVEのTips的なもの

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◆あらすじと目的

MPC LIVEは説明書がとても長い・分かりにくい・実用的でない箇所が多い・同じ記述が無数に出てくる……。
など、多機能の代わりにできることを調べるのが結構億劫だったりする。
内容によっては全文検索かけてもそもそも書いていなかったりもする。
海外フォーラムを検索するのもややめんどくさい、検索キーワードが難しいなどの問題もある。

なので自分の実際のつまづき例を元に全国10万のMPCユーザの役に立ちそうなドキュメントを残しておきたい。
また、あわよくばこの記事をきっかけに他のMPCユーザから有用な情報とか機能を知るきっかけにしたい。
 

 

◆想定する読者
 
初級者:基本機能で分からないところがある
中級者:一通り曲を完成させることができる
上級者:他機材との連携やライブパフォーマンスまで使いこなせる
で分類するとMPC初級者向け
基本機能を把握できていない自信がある人



 
◆書いてる人

・MPC LIVE歴2年弱
・作ってるのはhiphop, d'n'b, electronica的な(?)ジャンルが中心
・ラインで録って切り貼りが中心なのでサンプルパックなどは使っていない
MIDIキーボードもあまり使わない
・電子楽器の知識は一般的なトピックならなんとなく通じる程度
  
 
 

◆その他前置き
 

MPC LIVEについて書いているものの、ファームウェアがおおむね共通のようなので
MPC X, MPC Oneでも恐らく画面構造などは共通と思われる。

以下のトラブルシューティングは実際に困ったポイントをベースに書いているため
人によってはあまりマッチしないかもしれない。

当たり前に説明書に書いてある内容も多い。

Q/A関わらず情報は随時募集中。



 

 

 

◆以下、過去にあった問題及びTips



◆プロジェクトファイルのテンプレートを作りたい
毎回挿入するサンプルやエフェクトなどを予め仕込んだプロジェクトファイルを保存しておく
テンプレートのプロジェクトはPreferences画面のPROJECT LOAD/SAVEから選べる……かと思ったら読み込んでくれなかった(情報求む)



◆SHIFTボタンで両手塞がるのが困る
SHIFTをダブルクリックすると2秒くらいSHIFT関係のボタンが点滅する
この状態だとSHIFTが押されているのと同じ挙動をする




◆メニュー画面潜るのがめんどくさい

MENUボタン+16PadでMENU画面右側の4x4マスアイコンに対応した画面がそれぞれ開く



BPMをSequenceごとに変えたい
MAINメニューのBPMの下のMasterアイコンをタップすることでSequece毎に別のBPMアサインできる
ここでアサインしたBPMはSongモードと共通
(Songモードで表示されているBPMはこのアサインと共通、特に編集していない場合はプロジェクトのDEFAULT BPMが表示される)
BPMの初期値はSETTING画面のPROJECT DEFAULTSから変更できる



◆MUTEが解除できない
ミュートが解除できない場合、どこかのトラック・サンプルがSOLOになっている可能性あり
PAD MIXERやCHANNEL MIXERで確認すると見つけるのが楽かもしれない



変拍子(というか4/4以外)の設定方法
拍子の初期値はPreferences画面のPROJECT DEFAULTSから分母分子ともに変更できる
途中で変更・追加したい場合MAIN画面のSequenceウィンドウ右側鉛筆マーク→INSERT BARSからのTIME SIGで変更可能


 

 

◆SAMPLE POOLに入ったサンプルの削除方法
1.EDIT SAMPLES画面上部のゴミ箱アイコンから削除
2.BROWSER画面で消したいサンプルのあるプロジェクトファイルを選択
  MPCアイコンをタップしてプロジェクト内を表示
  SHIFTを押すと画面下部に出てくるDELETE FILEで削除
  (この場合、次回プロジェクト読み込み時までSAMPLE POOLからは消えず、次回読み込み時にサンプルのリンクエラーが出る)
不要になったサンプルやテイクはしっかり削除しないと瞬く間にドライブが埋まるので注意
何故SAMPLE ASSIGN画面から削除できないのか……



◆謎のノイズがいる
妖怪謎ノイズの確認手順は以下の通り進めると手戻りが少ないかもしれない

・BROWSER画面から本体プリセットのサンプルを鳴らす→ノイズ有ならオーディオ環境の問題
・BROWSER画面から録ったサンプルを鳴らす→ノイズ有ならレコーディング時点での問題
・Master/Program/SampleのFXを全てOFFにしてサンプルを鳴らす→ノイズ有りならサンプル設定の問題
・以降Sample→Program→Masterの順にエフェクトを一つずつONにしていってどこでノイズが乗るかを確認

過去に特定に手間取ったノイズ源の例として
Warp Samples設定の再生ピッチの変更やBPM SYNCによってノイズが乗っている
Warp Samples設定のFilter, LFOなどの設定によってノイズが乗っている
・FXのCompressor, Maximizerの設定でノイズが乗る(特にマキシマイザーのHard)
・Pad Mute, Pad Polyphonyなどの他サンプルをミュートする設定によってノイズが乗る
 (直前まで鳴っていたサンプルが突然止まることでパツッと鳴る)
などがあるのでそれぞれ注意



◆きれいに録音されない・音が入っていない
・別のスピーカーなどで元音源の機材の音が正しく出ている
・LINE/PHONOのスライドスイッチが正しく選択されている
・裏面REC VOLが十分に上がっている
・PHONO/LINEの端子を途中で変換していない(分かってる人はOK)
 
あたりを注意する
また、SAMPLER画面でMONITORをONにした状態で「MPC出力→ミキサーIN」と「ミキサーREC OUT→MPC入力」のようなフィードバックをかますと悲惨なことになるので注意



BPM検出が合わない
わりと雑(特に短い場合)なので諦めよう
元の音源のBPMググるか気合のタップテンポで解決
タップテンポが下手な場合は4分音符ではなく2分音符などでタップして後で掛け算すると比較的安定しやすい
 
タップではどうしても合わないくらい下手or精度が必要な場合は以下の方法を試みる
・SAMPLE EDIT画面右上歯車アイコンからTIMELINE UNITSをBEATSに変更
 キックやハットの波形が1小節単位でBEATSの目盛りと合うようBPMを微調整
・SAMPLE EDIT画面のEND-STARTで合わせたい長さの総サンプル数を確認(仮に1小節とする)
 1小節のサンプル数とサンプリングレート(44100または48000/秒)からBPMを逆算する

 

 


◆チョップしたサンプルがパツッと鳴るだけで終わる

上記BPM検出でサンプルの初期BPMが20.00と検出されることがままある

この時にWARP SAMPLES画面のSAMPLESタブでWARPがONになっていると
BPM20.0を基準にBPM120.00とかに合わせて長さ調整されるため6倍速とかになり、
一瞬で鳴り終わってしまうことがある

サンプルのWARPを切るかシーケンスのBPMを手入力してあげることで解決する

 

 


◆サンプルのゼロクロス設定したい

WARP SAMPLES画面の右上歯車アイコンからZERO SNAPを選択してから再生位置を選ぶと
比較的振幅が小さいところにスタート/ストップ位置が自動で設定される
 
 
 

◆ポメーポポポメーみたいなやつがやりたい

MAIN画面のWARP SAMPLESからMASTERタブのPOLYPHONYをMonoに変更すると「既に鳴っているサンプルを止めて別のサンプルを再生」ができる
POLYPHONYをMonoにした場合そのProgramの中では1サンプルしか同時に鳴らせないため、
特定のサンプルの後に鳴らした場合のみミュートしたい場合は同じページ内のMUTE TARGETで音を止める対象を指定する
 
ポメッ…ポメー…のように好きなタイミングで止めたい場合はWARP SAMPLES内LFO MODULATIONのSAMPLE PLAYをONE SHOTからNOTE ONに変更すると 、Padを押している間だけ音を流すことができる
長めのサンプルを流したりする時に使いやすい
 


◆GRID VIEWの操作がめんどくさい
Q-Linkにズーム・スクロールやTIME CORRECTの設定切り替えなどのショートカットがあるので使うと色々捗るかもしれない
特定のPadのノートを全て選択したい時はそのPadを叩くとまとめて選択される



◆一度書いたパラメータのオートメーションを削除したい
LIST EDIT, STEP SEQUENCERなどの画面から個別に編集が可能
一括での削除はオートメーション記録直後にUNDOする以外不明(情報求む)
オートメーションはOVERDUB中などにパラメータを微調整したりなどで意図せず記録してしまうことがあるため、
普段はオートメーションアイコン(赤・緑・透明のWみたいなやつ)を透明に設定して記録を防止しておくのがベターか



◆ヴァイナルみたいにBPMの変化とサンプルのピッチを同期させたい
できなそう?(調査中)
・ピッチを半音 or Cent単位で上下→PROGRAM EDITのMASTERまたはSAMPLES画面で可
・再生時間を伸ばしたり縮めたり→WARP SAMPLESまたはSAMPLE EDIT画面のSTRETCHなどで可
上記はいずれもSEMI(半音)/FINE(Cent)のパラメータで設定できるが、設定しない場合は
BPM変化とピッチの上下を一致させる」ことはできない?(情報求む)

 



◆SAMPLE画面のレベルメーターのピークが降りてこない
画面上のレベルメーターをタップするとPeakをリセットできる



◆Q-Linkパラメータの詳細を知りたい
Q-Linkボタン長押しでその画面で使用可能なQ-Linkパラメータ一覧が表示される
別途Q-Link編集画面で編集も可能(画面によって制限有り)



◆GRID VIEW画面でノートを見失った
左下のグリッド&虫眼鏡アイコンで現在の範囲にズームできる



◆もっとエフェクトの数を増やしたい
やり方はいくつか
・Sample単位でかかるFXが4つ、ProgramにかかるFXが4つ、MasterにかかるFXが4つ
 それぞれの編集はMain画面プロジェクト名の下の目玉アイコンから
・エフェクトをかけたサンプルを一度バウンスして読み込むことで更に追加でエフェクトがかけられる
 (この場合バウンス前にかけていたエフェクトを編集するには再度バウンス元データを編集する必要有り)
 バウンスはMAIN画面右側のPROGRAMまたはTRACKウィンドウの鉛筆マーク→BOUNCE TO SAMPLEで可能



AKAIエフェクトのパラメータの数値の意味がよくわからん(コンプとか)
考えるな 感じろ



AIRエフェクトの不思議
AIRのエフェクトの波形選択などのパラメータはQ-Linkノブで弄っていると一瞬で通り過ぎるため気づかなかったりする
メインのでっかいノブで一個ずつ動かす方が結果的に楽な気がする



◆Mother Duckerの設定がわからん
ダッキング元の音源(サンプル/トラック)にMother Inputのエフェクトを挿入
ダッキングでコンプをかけたい音源にMother Duckerを挿入
これでダッキング元音源が鳴った時にダッキング先音源の音量がコンプで潰れて小さくなる
 
 
 
 ◆たまに画面がめちゃくちゃバキバキちらつく
ハードウェア的なバグ仕様らしい
画面の輝度を上げることで一応発生しなくなると海外フォーラムに書いてあった気がする
  


◆USB接続で可能なこと(確認済みのもののみ)
できる
 ・キーボード/テンキー接続
 ・MIDIキーボード接続(KORG microKeyで動作確認)
 ・MIDIコントローラ接続(KORG nanoKONTROL2でMIDI受信確認、要設定?)
 ・PCからデータ確認(要USB3.0 Type-B, CONTROLLER MODE切替)
 ・外付けハードディスク増設
できない
 ・マウス(何かあるかと思ったら特に何も起こらなかった)
 ・iPhone(サポート外と表示された)
 ・オーディオインターフェース(何も起こらない)
未調査
 ・情報求む

 
 
Bluetooth接続で可能なこと(確認済みのもののみ)
できる
 ・キーボード接続
できない
 ・Echo DotでBT Audioトライ→不可
未調査
 ・BTのMIDIキーボードによる操作


 
 
 

◆ここまで

 

上記以外でも何かTipsやトラブルがあったら随時加筆します。
今後増えたりしたらもしかしたらカテゴリ別に記事を分割とかするかもしれません。
さらば

2020/5/27

 
 
  
 
 
(MPC LIVE 2どんな感じなんでしょうね……)

   

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